素敵なひととき

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S銀行は24時間営業しており、各提携金融機関のシステム面などの体制が整えば、24時間いつでも利用可能になっている。 提携行にしてみたら、自ら各地に支店や営業所を数千万円かけて設置するコストを省くことができる。
例えば、静岡銀行のカードを持っている預金者が旅行先の北海道内で現金が必要になったときに「S」で預金の引き出しができる。 S銀行は、いつでも、どこでも、だれでもが安心してATMを利用することを目指している。

S銀行のATMは「みんなのATM」がキャッチフレーズだ。 金融と流通。
どちらもお金を手渡したり、預かったりする共通点がある。 多額の現金を扱う流通業界は金融事業を親和性のある存在と見ていた。
それは何も最近の出来事ではない。 Y堂もMなどの急成長を見て、1980年前後にクレジット事業を始めようと検討したこともあった。
資金回収のリスクに敏感だったI社長(当時)らの指摘もあり事業化計画は封印されたが、時期尚早というだけであきらめたわけではなかった。 IもSも、金融という未知なサービスを提供しなければいけないという使命感をいつも抱いていた。
それは消費者に便利さを提供するSの存在意義に関わることでもあったからだ。 使命感は数年後に具体化した。
「Sで電力料金の収納代行の業務はできないでしょうか」1987年2月、TからSにこんな申し入れがあった。 Tの頭痛の種は、銀行振り込みを嫌がる消費者や独り暮らしの若者からの料金徴収だった。
そこで、Tの営業管内とSの店舗網が重なることに加え、24時間営業ならいつでも収納が可能と判断。 Sに業務を要請したのだ。

TがSにすがる気持ちはわかるが、一筋縄ではいかないことは誰が見ても明らかだった。 利用者が電力料金の請求書を「S」に持ってきて、店員が料金の受け取り、領収書の発行、入金リポートなどの一連の作業をすると、本来の店舗業務が滞り、買い物客に迷惑がかかる。
SはTに対して現状の書式のままでは困難であると伝えた。 電力料金を支払う顧客には利便性を提供できたとしても、それ以外の顧客には精算(レジ)待ちを起こしてしまい利便性を損なうからだった。
いったんSは断ったが、公共性の高いサービスを手がけるのは店舗イメージを上げるチャンスでもあった。 当時、コンビニは市民権を得つつある時代だったが、それでもまだ店舗イメージは芳しくなかった。
深夜に若者が店舗周辺にたむろしたり、店の回りにゴミが散らかり問題視されていた。 一方、公的企業であるTの社会的イメージは極めて高い。

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